ウェブからの集客力をアップするために、サービスの認知度を高めることは緊急の案件。
そのために検討するのが広告なのですが、ウェブで広告を出稿する場合、アフィリエイトや月極の広告、PPC、SNS広告など、様々な選択肢があります。
そこでこのページでは、ウェブ集客のなかでも特に比較して検討したいアフィリエイト広告と月極広告。
それぞれの特徴を明らかにした上で、どちらが自社サービスを効果的に集客するための力になってくれるのか。このページでは、そのヒントを提示します。
結論はこちら
まず最初にお伝えしたいのが、アフィリエイトも月極広告も、完全ケース・バイ・ケースで、「こちらの方が絶対に効果的です!」という話ではありません。
大切なのは、どちらの広告を選ぶことによって、あなたのサービスがウェブ集客力がアップするのか?すなわち、メリットデメリットを熟知した上で、適切な方法を選択することです。
では具体的に、アフィリエイト広告と月極広告、どのような違いがあるのか。かんたんに整理します。
・アフィリエイトは完全成果報酬。ASPへの固定費+売れた分だけ報酬を支払えばいいのがメリット。ただし、不正対策や売上が安定して出るまでの期間、様々な手を打つ必要あり。
・月極広告は毎月広告料が固定。多く売れても少なく売れても関係なし。契約媒体を選べば、アフィリエイトとは異なるメリットを実感できる。
・どちらの手段も導入後即座に効果を実感できるのは稀。長期的な運用が効果的。
この知識を前提に、話を進めていきます。
アフィリエイトに異変あり?
近年、アフィリエイトの環境は激変しています。
あなたも耳にしているかもしれませんが、それはグーグルの変動だけでなく、ITPというアップルの技術によってアフィリエイトの成果測定そのものに問題が生じています。
それで一体どうなっているのかというと、アフィリエイト広告を掲載するサイトは、「売れてなんぼ」なので、CV重視。「今すぐ」購入してもらうように、掲載ページを調整する傾向が強くなっています。
なぜなら、ITPの問題によって、以前なら広告クリック後7日~30日程度は売上げの測定ができていたのが、今では「1日以内」に購入してもらえないと、成果にならなくなっているからです。
更にもっと言うと、成果そのものがなぜか、正確に測定できないケースもしばしば見られます。
あなたが広告主としてITPの影響をより詳しく実感したい場合、twitterで「itp 発生」などで検索して、アフィリエイターの生の声を確認することができます。
CV重視の悪影響
それで一体何が問題なのかというと、簡単に言うと、「CVのための煽りが増えてしまう」という問題です。
なぜなら、アフィリエイトサイトは広告をクリックして、今すぐ行動を起こしてもらわないかぎり、売上になりません。
それなら、サービスの良さをじっくり実感して、購入を検討してもらうアプローチではなく、必然的に「お申し込みは今すぐ」にせざるを得ないのです。
ではCVを無理に上げるとどうなるか?「言った商品と違うじゃないか!」「詐欺じゃないか!」というクレームが増えやすくなります。
すると対応する社員に精神的な負担がかかるだけでなく、「自分たちはこんなにキャンセルされるような商品を扱ってるんだ・・・」と、社員のモラルが下がります。
結果、「売上」という目に見える数字以外のところに、悪い影響が出てきます。これが今現在、アフィリエイトを導入する大きなデメリットの1つです。
アフィリエイトメディアがCVを重視せざるを得ないのは、ITPの影響によってますます強くなっていて、アフィリエイトという「成果報酬型広告」という仕組み上、どうしようもないことです。
アフィリエイトメディアはボランティアであなたの案件を紹介するわけではありません。お金に手間。時間。成果を出すために、多くの投資をしています。
アフィリエイトを導入して「売上だけ」をブーストしたい場合、その反作用を覚悟しておいた方がいいかもしれません。
→CVを高めれば返品率も上がる?心から満足できるビジネスをするための教訓
今だから注目したい月極契約
では、「クレームの発生が増えるのは嫌だ!」「自社のサービスを理解して、納得した上で申込んで欲しい!」という場合はどうすればいいか?
その場合、月極の固定掲載を検討する価値があります。
月極といっても、ただバナーを貼るような広告ではなく(それはほとんど意味がありません!)、
1・掲載媒体をしかるべき方法で選定する
2・自社商品、もしくはサービスを体験してもらい、ファクトチェックをした上で詳細記事を書いてもらう
3・CVを煽るような表現は一切カットする
という手段によって、アフィリエイト広告を利用するよりも爆発力や影響力は劣るものの、より適切なあなたのサービスの広告宣伝が可能になります。
固定掲載をおすすめする理由
例えば私事で恐縮ですが、私が10年以上運営している英語学習メディア『英会話ビギナーズWEB』では、ASPを通さず直で「弊社を紹介してください」というご依頼をいただきます。
以前は「それならASPの○○で登録してください。提携させていただき、宣伝させていただきます」とお伝えしていました。
現在は体験談の掲載という形で、CVアップを重視するより、サービスそのものの良さを伝える方法で、記事を書かせていただいております。
案件によって固定掲載料の費用は、アフィリエイトで獲得できる費用より低くなる可能性が高いのですが、なぜあえて、月極の固定掲載という形でご提案させていただいているのか?
その理由がまさしく、CVの問題です。
本当に納得して行動してもらうために
ITPの影響を抑えて成果を獲得するためには、どうしても「今すぐのお申し込み」を強く訴求した記事にせざるを得ません。個人的にはそれがずっと疑問を感じていました。
なぜなら案件によっては、今すぐ申込んでもらうように誘導するのではなく、良い点悪い点を客観的に伝えて、自然なタイミングで申し込みが発生するよう誘導した方が、絶対に広告主のため。何より申し込む人のためになるからです。
しかし、ITPが猛威を振るい、成果測定に不明瞭な結果が出ている現状、それはもはや理想論です。
以前なら、「今すぐ」の申し込みを誘導せずとも、クッキーの関係で「本当にサービスを利用したい」と思う人のみ、誘導できるようにすればOKでした。ところがもはや、ITPによってその方法はできなくなってしまいました。
その点、非常に不本意なところがありますので、体験談記事の月極掲載という形で、ご提案させていただいております。
問題は売上の質!
「多少のクレーム発生は仕方ないから、1にも2にも売上を増やしたい!」という場合、アフィリエイトは爆発力があります。うまく波に乗れば、想定以上の大きな成果を獲得できる場合があります。
ただし、ITPの問題に加え成果の不正の問題など、取り組む手間。解決すべき課題はたくさんあります。すなわち、アフィリエイトを始めたからといって、無条件で利益が得られるわけではありません。
結果を出しているアフィリエイトメディアは、毎月どれくらいのインプレッションで、どれくらいのクリックで、どれくらい成約しているかを、しっかり計測しています。
そこで不自然さを感じさせてしまった場合、問い合わせ→対応となるのですが、誠実な対応をしないと、露出を控えられたり、最悪掲載を外されます。
対応の手間がいろいろかかりますので、それなら最初から掲載メディアを厳選し、「毎月広告費用はいくら」という形でシンプルに取り組む方が、広告予算だけでなく、かかる手間の面でも、安心できるかもしれません。
その点、人員や予算の関係等を考慮し、総合的な視点で、一体どのような広告手法が適切なのか?自社サービスの認知力を広げていくだけでなく、売上につなげていくのか?
じっくり考える必要があります。
まとめ
最後にまとめです。
アフィリエイト広告と月極の固定掲載広告の比較する上で一番のポイントは、費用というよりはむしろ、広告を掲載することによって、何を得たいのか?
そこが一番のポイントになります。
アフィリエイト広告は条件によっては瞬時に多くのアフィリエイトメディアに掲載されるようになるので、認知力を高めることができます。
おまけに、売れた分だけ報酬を支払うので、成果の白黒がハッキリします。
ただし、ITPの影響によって、今後ますますCV重視で「今すぐ購入」を促すメディアが必然的に増えている現状、「今すぐ購入」を訴求されることによるデメリットも考慮する必要があるでしょう。
一方、月極の固定掲載契約は、掲載するメディアの選定に手間がかかりますが、記事の質をしっかり管理した上で、自社サービスを効果的かつ良心的に宣伝していくことができます。
掲載するメディア側も、今すぐCVさせなければいけないプレッシャーから開放され、より客観的に、リラックスして情報を掲載することができます。
また、成果承認などの手間も一切ありませんので、幅広い視点を持って自社サービスを宣伝していけるメリットがあります。
最後に
広告を出す以上、売上げアップは当然の目標です。ただし、現在ウェブ集客の環境はどんどん変わっています。
「成果を出す」ということは当然の話ですが、そればかりに意識を向けていると、長い目で見て、ウェブでの自社ブランディングに失敗する可能性があります。
あなたのサービスが誰に、どのような形で受け入れられたいのか。その点を熟考した上で、適切な宣伝手段を検討することをおすすめします。