ウェブサイトのコンバージョンを高め、見込み客に今すぐアクションを起こしてもらう。
これが極めて一般的な考え方ですが、この記事では、必ずしもウェブサイトのCVを高めることが必ずしもプラスになるとは限らない話をお伝えします。
1・自社サービスを理解してくれる見込み客に商品を申し込んで欲しい
2・返品率の低いビジネスがしたい
3・ロイヤリティーの高いお客を獲得したい
という方にはきっと、読む価値がある記事になりますので、お時間があるときにでもどうぞ。
無理にCVを高めるマイナスの反動
まず結論から。
ウェブサイトの内容を工夫することによって、CVを高めることはできます。しかし、そのCVの高め方を間違えれば、返品率もアップしてしまいます。
つまり、CVを意識しすぎることによって、本当に買う気がないお客まで商品を申し込ませることになり、クレーム対応や返品手続きによるストレスなど、様々なマイナス効果があります。
そこで、CVを改善していくにあたっては、
1・「本当に自社商品が欲しい!」と思っているお客以外には申し込ませない
2・CVを高める言葉(申し込みを促す言葉)をあえて、セールスページにはさまない
という方法を取ることによって、キャンセル率が低い、顧客満足度が高い結果を得やすくなります。
私の失敗談
「買わせることだけ」を意識してCVを高めれば、キャンセル率も上がる。
そのことに気づいたのは、私がアフィリエイトで某英会話教材の宣伝で売上げアップをガンガン狙っていたときのことです。
月獲得40件以上を目指し、どうしたら少しでもCVがアップするのか?ダイレクト・レスポンス・マーケティングやコピーライティングなど、様々なノウハウを勉強し実践。
反応率重視で商品の紹介をしたのですが、その結果、確かに月あたりの獲得件数は30件を普通に突破。40件に迫る勢いで、「数字」としては非常に満足できる結果を得ることができました。
CVアップで返品続出!
ところが。
アフィリエイトには成果の承認作業というものがあって、売れた成果はまず「未確定」の成果として保留されます。
その後、実際にお客が商品の支払い等をすることによって、報酬が確約される仕組みになっています。
それで、月獲得アップを目指した某英会話教材の承認作業を待っていると、なんと発生件数のうち、50%近くがキャンセルになってしまいました。
「一体どんな理由でキャンセルになったのか?」と問い合わせたところ、次のような答えが返ってきました。
「申し込み後の返品が多いから」
つまり、商品を購入したけれど、何らかの理由で購入したことを満足できなかった顧客が多かった、という話です。
返品が増えた本当の理由
このとき、「それは販売先の商品がダメなのではないか?」と考えることもできますが、実際その商品は、私自身が自腹で購入して、使い込んだ上で「これは人様に紹介しても安心である」と判断できた英会話教材です。
そのため、英会話教材の品質がダメだから購入後の返品が高かったと考えるのは少し違うと感じました。
それで一体何が原因だったのかを考えたところ、自分のセールスレターが、「買わせること第一」で、等身大の商品の情報を伝えきれていなかったことに気づきました。
つまりお客の期待値を釣り上げて、申し込み率をアップさせていたのです。
その結果、その商品を本当に必要としていない人までも購入を促す結果につながり、キャンセル率50%という結果になったと感じました。
そしてすぐセールスレターを修正。あえて、「今すぐ」行動を促し、CVを高めるための文章を削除。本当に興味を持っている人のみ、アクションを起こすよう、表現を大きく調整しました。
その結果どうなったかというと、CVそのものは下がりました。月30件は超えていたのが、20件など、獲得件数それ自体は下がりました。
しかし、成果の承認率が大幅にアップ。50%→90%とアップ。やはり売ることだけを考えて商品を宣伝するのは結果的に誰も得をしないことを、勉強させていただきました。
「無料体験の申し込み」の場合はどうか?
お客に無理やり申し込ませない。これは無料体験などのお客にとってメリットがあるオファーでも同じことです。
例えば、あなたが英会話スクールを経営しており、ウェブ集客の一番の目的が、無料体験レッスンの申し込み数アップだったとします。
無料体験なので、商品購入よりは、申し込む側のハードルが低く、リスクは低くなります。
なので、CVを高めても問題ないように思えるかもしれませんが、結局本当にあなたのサービスに興味がないお客が無料体験を申し込み、実際に来校したとしても、レッスンの成約に至ることは期待できません。
つまりお客が軽い気持ちで申し込まれたのか。「契約すること」を前提に無料体験を申し込むつもりで来校したのか。
そこに大きなが違いがあります。だからこそ大切なことは、CVだけにあらず。本当にあなたのサービスに興味を持つ人に、どれだけ適切な言葉で、適切な情報を語れるか。
大切なのは、CVの数字それ自体ではないのです。
大切なのは三方良し
商売の原則は三方良し。商品を買う人。宣伝する人。商品を売る人。三者三様満足できてこそ、商売を続けていくことができます。
しかし、自分のことだけしか考えないと、誰かが損をすることになります。そのため、自分のことだけでなく相手のこともしっかり考えること。
そんな、当たり前のことに気づくことができたのは、本当にありがたい経験でした。
この経験から、商品を宣伝させていただく場合は、良いところはきちんと伝えるのは当然のこと、「この商品はこういう方には向いていません」という点を、第三者目線でしっかり伝えることが大切だと感じています。
それによって、お客は商品に対して過剰な期待を抱くことなく、適正な期待値で商品を購入することができます。
だから購入後、「話とは違うじゃないか!詐欺じゃないか!」とクレームが発生するリスクを抑えることができます。
これは本当に大切なポイントで、商品の期待値を高めれば確かにCVはアップします。しかしそれによって、クレームを言うお客も同時に引き寄せやすくなります。
すると、クレームや商品の返品対応で労力を提供する必要になり、それが、社員の士気の低下など、様々な面で、悪影響が出てきます。自社商品の返品率が高いというのはやはり、気持ちがいいことではありません。
まとめ
ということで、長くなってしまいましたが、CVを意識して、ウェブサイトを改善していくことは大切です。
しかし、CVを意識しすぎて、いわゆる煽りのように、お客を無理に買わせるようなやり方は、長い目でみて得にはなりません。
むしろ、お客の期待値を平均かそれよりも下げることによってCVはダウンしますが、商品に納得して申し込むロイヤリティーが高いお客を引き寄せやすくなります。
そのため、継続率やリピート率など、他の面でプラスの効果が期待でき、お客に感謝され、かつ安定して売上を確保していけるという、好循環に入ることができます。
なので、CVは重要ですが、意識しすぎるのも考えものです。
期待値は上げすぎない。自社商品の等身大の魅力を自然に伝えること。そんな誠実さが結局は、一番大切なことです。
以上、
1・自社サービスを理解してくれる見込み客に商品を申し込んで欲しい
2・返品率の低いビジネスがしたい
3・ロイヤリティーの高いお客を獲得したい
という方は、ぜひ参考にしてみてください。