アフィリエイト広告を掲載して10年以上。
今後の傾向として強く実感しているのが、「広告主によるアフィリエイトメディアの囲い込み」です。
通常、アフィリエイトは広告主とアフィリエイターの間にASPと呼ばれる代理店が入り、広告主とアフィリエイターの間を取り持つ仕組みになっています。
それが近年、広告主が直接アフィリエイトメディアに声をかけ、契約を進めていくケースが増えています。
私が運営している英語学習メディア『英会話ビギナーズWEB』でも、ASPを介さず、「貴メディアと直接取り引きをしたい」というご連絡をいただいており、時代の変化を感じています。
広告主側のメリットは?
なぜ広告主は直接アフィリエイトメディアとの直接契約を進めるのか?その理由はいろいろ考えられますが、まず挙げられるのがコストの問題です。
通常のアフィリエイトは、広告主とアフィリエイターの間にASPと呼ばれる代理店が入り、広告主とアフィリエイターの間を仲介するわけですが、間にASPが入るということは、仲介料を支払わなければいけないことを意味します。
ただ、ASPを利用することによって、たくさんのアフィリエイトメディアに掲載してもらうことが可能(ただし条件あり)なので、ウェブにおけるサービス認知度のアップなど、目的によっては、取り組む価値がある投資になります。
しかしマージンとしては決して安くはないので、提携するアフィリエイトメディアの質を確保しつつ(後述)、広告費を抑えたい場合。ASPを利用するよりも、個別に契約をした方が、安上がりになるという現実があります。
また、直接契約ということで、アフィリエイターからすれば「自分のメディアが企業から認められた!」ということでモチベーションアップ。「この広告主を応援したい!」という気持ちになります。
真面目にメディアを運営しているアフィリエイターから応援されることになれば今後、様々な場面でプッシュしてもらえることになり、支払う報酬以上の効果を実感できる場合があります。
広告主としてアフィリエイトで損しないために知っておきたい話
一方、アフィリエイトに取り組む上でいわゆる代理店を利用する場合。諸経費(いわゆるマージン)で結構抜かれるので、その分のしわ寄せがアフィリエイターにいきます。
結果、「この広告は思ったより儲からない・・・」と判断されれば、他社を優先される実情があります。
そしてもう1点、あなたがアフィリエイトをする上で、代理店を利用する場合知っておくべき話は、代理店のなかには不正を働く会社がある、ということです。
すなわち、成果承認を適当にごまかしたり、その他ここでは書けないいろんな手段によって、広告主、アフィリエイターを欺く行為を働く代理店が存在しています。
それについて云々することはこのページの目的ではないので、詳細は差し控えますが、大切なのは結果どうなるのか?
広告主であるあなたは不要なお金を支払うことになり、広告を掲載するアフィリエイターからは、本来は代理店の責任のはずが、「この広告主は信頼できない!」と不信感を招くことになります。
特に、成果を出している有力メディアからの信頼を失えば、今後ウェブ集客において、大きな痛手を被る可能性があります。この点、代理店について特に、信頼し誠実に業務を行ってくれる会社を選ぶ必要があります。
問題は提携メディアの質
一方、アフィリエイターと直契約を結ぶ場合は、ASPも代理店も関係ありません。つまり、マージンの費用を抑え、利益をアフィリエイターに直接還元することができます。
結果どうなるか?
単刀直入に言って、結果を出すアフィリエイターは儲かる案件を優先します。そこで、あなたが他社よりもしっかり報酬を出せている場合。
通常のASPに出稿するよりも効果的に、アフィリエイトという仕組みを活用することができます。
ただしそれには問題があります。提携するアフィリエイトメディアの選定です。
代理店だけでなく、アフィリエイターのなかには実際問題、成果を出すためにズルや悪いことをする人もいます。特に、PPCの出稿や虚偽の注文等の不正対策を怠ると、とんでもない手間と損害が出る可能性があります。
このため、直接契約にあたっては、「どんなメディアと」提携するのか、しっかり選別する必要があります。
計測システムを用意する必要あり
もう1点、大切なのがアフィリエイトの成果を計測するシステムを導入できるかどうかです。
中には導入せず、クーポンコード等で計測して成果を事後報告する形で提携することもできます。
とはいえ、結果を出すアフィリエイターは、いつどこで広告がクリックされ、何件発生したか。リアルタイムで確認できるのが当然だと考えています。
さらに、広告主のなかには成果を自社都合で「調整」する会社があることも知られているので(いわゆる「呑み行為」)、マジメに取り組むアフィリエイターは、クリアかつ公平に、契約することを希望しています。
そのため、システムを用意できないアフィリエイト提携は、実力あるメディアから拒否される可能性があります。これは「成果報酬」というアフィリエイトの使用上、仕方がない話です。
それが難しい場合、月極の契約等、安心して掲載してもらえる形で、契約する方法があります。
それでどちらがいいのか?
アフィリエイトメディアと直接契約する場合。ASPを通す場合。それぞれメリットデメリットがあります。
あなたが、「実際の話、弊社は認知度が低い。拡散性を重視して、サービスの認知度を高めたい。そのために広告費は積極的に投資する」という場合。
ASP経由の方が向いています。この場合、報酬額を同業他社よりも高く設定しておくことがポイントになります。
ただし、無制限に提携申請を許可していると、不正注文や想定しない紹介のされ方(「○○は詐欺?」というようなネガティブな言葉で注目を集める手法)をされ、ブランドイメージを毀損されるリスクがあります。
一方、「弊社のブランドイメージを守りつつ、質の良いアフィリエイトメディアのみと提携して、丁寧に弊社サービスを紹介して欲しい」という場合。
直接契約で、影響力のあるアフィリエイトメディアに絞って契約。掲載ページのファクトチェックで品質を維持しつつ、効果的にウェブ集客を進めていくことができます。
この場合、報酬額はケチらず、アフィリエイトメディアの努力に誠実に報いることが大切です。提携したアフィリエイターから「この広告主は信頼できる!」と評価されれば今後、様々な場面で、融通をきかせてくれるでしょう。
まとめ
以上、アフィリエイトの直接契約に関して、広告主側のメリットや注意点を分かりやすくまとめました。
なぜアフィリエイトメディアの囲い込みが進んでいるのか。その点ついてはあえて、具体的には書きませんでしたが、流れとしては今後、この傾向が進んでいくと考えています。
そして、広告主との直接契約に関してはアフィリエイター側にもメリットがあります。
実力や影響力のあるアフィリエイトメディアとは積極的につながっておくことが今後、ウェブ集客を実践していく上で、とても大切なポイントになります。
「自社がどのような形で紹介されたいか?」
「紹介されることによって、見込み客にどのようなイメージを持って欲しいか?」
等を考え、提携メディアを選別。積極的にプッシュしてもらえるような関係を築いていくことが大切です。
以上、ウェブ集客のためにアフィリエイトを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。