消費者庁がアフィリエイト広告が規制を提言。「広告」の文言が必要に

解説します

2022年6月、消費者庁がアフィリエイト広告を規制するための具体的な方針が明らかになりました。

2022年6月25日の読売新聞の報道によると、

1・商品の感想やレビューに「広告」という文言を明記する

2・「広告」という文言はサイトの視認しやすい場所に明記する

3・誇大、不当な表現があった場合は速やかにそれらを削除できる体制を作る

この3点がポイントになります。

背景として、「アフィリエイトを掲載しているサイトの口コミやレビューは実質広告だから、それを消費者にわかりやすく伝えるようにしなさい」というのが消費者庁の要請と理解することができます。

当サイトでは以前よりアフィリエイト広告のマイナス面と規制の可能性について言及してきました。アフィリエイトを集客手段として利用するさいは、改めてプラス面とマイナス面を検討することが大切になるでしょう。

はじめに

物事には必ず、プラスの面とマイナスの面があります。アフィリエイト広告にも良い面があり、そして悪い面があります。

アフィリエイトのよく言われる悪い面として、消費者庁が指摘したように、ほんとうにそれは一般人の感想なのか?感想と宣伝の区別がつきにくい点が挙げられます。それはアフィリエイトという広告形態が持つ、ビジネス上の構造の問題があります。

まず、アフィリエイトは「成果報酬型」のビジネスです。広告を出稿する側としては、「売れた分だけ」報酬を支払えばいいため、「効果の検証」が明白です。

一方、広告を掲載するアフィリエイトメディアは、記事を書き、集客手段を考えて広告を掲載します。その結果売れなければ、そのすべての労力は「タダ働き」になってしまいます。

すなわちアフィリエイトメディアにとっては、「私はあなたの商品を売るためにこれだけの仕事をしたので、その分だけ報酬をいただきます」とはなりません。

商品を売るために、購入を煽るような表現や、一般人の感想を装った売るためのだけの文章が問題になってしまうのは、そもそもアフィリエイトという広告形態が持つ、必然的な問題と言えます。

そのため、業界にもよりますが、今後は従来どおりの「宣伝をアフィリエイトメディアの自主性に任せます」という方針を慎重に検討せざるを得ない状況になる可能性が高いと言えます。

予想される影響はこの2つ

「アフィリエイトは売れた分だけ報酬を支払えばいい」という広告主側のメリットと、「売れなければ報酬0円のタダ働き」というアフィリエイトメディア側のデメリット、このビジネス構造が問題の本質です。

アフィリエイトメディアは必然的に、売るためのありとあらゆる工夫をすることになります。

その過程で虚偽・誇大な宣伝が発生するという問題は、まさにビジネス上の構造が根本にあります。これはアフィリエイトに限らず、あらゆる成果報酬型のビジネスでも、同じ問題が発生しています。

それはさておき、今後考えられる影響として重要なのは次の2点です。

1・「広告」という表現を明記することによる販売への影響

2・広告主及びアフィリエイトメディアの撤退

「広告」という文言を明記することによる販売への影響

個人的には、「広告」という文言のCVへの影響はあまり影響がないと考えています。

というのは、ほんとうにその商品に興味を持つ人であれば、その記事がかりに広告であったとしても、情報の一つとして真剣に読むと思うからです。

「広告」という表現があることによってそこから離脱してしまう人は、そもそもがあまり購入意欲がない人なので、最初から買う気がない人に商品を宣伝したとしても、それはあまり良い結果にはつながらないでしょう。

最初から買う気がない人にセールスレターの力でCVを高めるような施策をすれば、クレームの発生などスタッフへの負担など、数字には見えない部分で影響が現れます

この意味で、「広告」という表現がわかりやすい場所に入ることによって、その記事が読む人にとっては最初から広告の一環であることが認識され、「無理やり買わせた」「思っていた商品とは違う!」という感想を持つ人が減るのではないかと考えます。

本質的なことを言うなら、アフィリエイトの売上において重要なのはキーワードです。

「最初から購入する可能性が高い人」を集めることが問題なので、「最初から購入する可能性が高い人」は、広告だろうが何だろうが、購入の材料となる記事はチェックするでしょう。

この意味で、「広告」という文言を明記することそれ自体、アフィリエイトメディアが効果的な集客の仕組みが機能している場合(キーワード選定に成功している場合)、売上への影響は小さいと考えます。

広告主及びアフィリエイトメディアの撤退

問題は、広告主及び、アフィリエイトメディア側の負担です。一つ言えるのは、今後アフィリエイトビジネスは、広告主とアフィリエイトメディア、双方に負担がかかるようになる、ということです。

広告主はより提携メディアの選定を厳しく行う必要があり、その手間や提携先、掲載されている情報のチェックなど、より多くのリソースが割かれることになります。

一方、アフィリエイトメディアは、掲載する記事の内容を広告主に確認されるようになり、必要であれば記事の修正も求められます。

それはアフィリエイトメディアにとっては無料奉仕になります。「売れないのにあれこれ修正の手間がかかる。それなら掲載をやめようか」と考え、撤退するアフィリエイトメディアも増えるでしょう。

現在はアフィリエイトメディア運営者にとって、売れるかどうか分からないアフィリエイトにお金をかけるより、月極の固定契約や「文字数分の記事を書いてお金を稼ぐ」など、その他のチョイスがあるからです。

まとめ

結局のところ、今回行われた消費者庁の提言によって予想できるのは、アフィリエイトという広告形態が抱える、構造上のマイナス面への対応です。

アフィリエイトは成果報酬であり、成果報酬であるがゆえに、売ること=結果が正義という発想になりがちです。そこで生じる歪みを正そうとする動きが消費者庁の提言と言えます。

先に述べたように、売上に対する直接的な影響に関しては、「アフィリエイトメディア側の集客戦略が適切である限り」は特に影響は小さいと考えます。それより重要なのは、規制がアフィリエイトメディア側の運営に影響を与える可能性です。

影響力を持つアフィリエイトメディアにとって、アフィリエイトそれ自体から距離を置く流れが続いていますが、今回の消費者庁の規制は、その流れをプッシュする動きと考えます。

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